パリーグGG賞は誰の手に?データで予想

パリーグGG賞は誰の手に?データで予想

パ・リーグのゴールデングラブ賞受賞者をデータから予想します。UZRなどの指標を用いて各ポジションの有力候補を分析しますが、果たして結果はどうなるのでしょうか?

パリーグGG賞の行方をデータで探る

パ・リーグGG賞2024予想のポイント
📊
UZR指標の活用

守備貢献度を数値化したUZRを基に分析

🏆
注目の外野手部門

ハイレベルな争いが予想される外野手枠

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各ポジションの有力候補

内野手・外野手それぞれの候補を詳細分析

パリーグGG賞外野手部門の激戦区

パ・リーグの外野手部門は、2024年シーズンも激戦が予想されます。UZR(Ultimate Zone Rating)という守備指標を用いて分析すると、以下の選手たちが特に注目されます。

  1. 日本ハム・万波中正選手(右翼):UZR 16.5
  2. ソフトバンク・近藤健介選手(左翼):UZR 16.2
  3. 日本ハム・松本剛選手(中堅):UZR 11.7
  4. ソフトバンク・周東佑京選手(中堅):UZR 11.1

 

特に万波選手のUZR 16.5は、12球団全ポジションでトップの数値です。昨年の受賞時(UZR 12.5)よりもさらに向上しており、連覇の可能性が高いと言えるでしょう。

 

一方で、昨年まで3年連続受賞していた楽天・辰己涼介選手は、中堅でUZR -7.9と苦戦しています。守備位置の変更が影響している可能性もありますが、4年連続受賞は厳しい状況と言えそうです。

パリーグGG賞内野手部門の注目選手

内野手部門では、各ポジションで以下の選手たちが注目されます。

  • 一塁手:ソフトバンク・山川穂高選手(UZR 4.7)
  • 二塁手:楽天・小深田大翔選手(UZR 5.1)、西武・外崎修汰選手(UZR 4.0)
  • 三塁手:ソフトバンク・栗原陵矢選手(UZR 13.8)
  • 遊撃手:西武・源田壮亮選手(UZR 7.3)、ロッテ・友杉篤輝選手(UZR 5.2)

 

特に三塁手部門では、栗原選手のUZR 13.8が突出しています。昨年まで3年連続受賞のオリックス・宗佑磨選手(UZR -6.3)を大きく引き離しており、初受賞の可能性が高いと言えるでしょう。

 

遊撃手部門では、6年連続受賞中の源田選手が依然として高いUZRを維持しています。しかし、友杉選手も僅差で追随しており、接戦が予想されます。

パリーグGG賞の歴史と記録

ゴールデングラブ賞(GG賞)は、1972年に創設された守備部門の栄誉ある賞です。当初は「ダイヤモンドグラブ賞」という名称でしたが、1986年から現在の名称に変更されました。

 

パ・リーグにおける歴代最多受賞記録は以下の通りです:

  1. 福本豊選手(阪急):12回(外野手)
  2. 城島健司選手(西武、ソフトバンク):10回(捕手)
  3. 小久保裕紀選手(ダイエー、ソフトバンク):9回(外野手)

 

これらの記録に迫る選手が現れるかどうかも、今後の注目ポイントとなるでしょう。

 

ゴールデングラブ賞の詳細な歴史や受賞基準についてはこちらを参照

パリーグGG賞の選考基準と投票システム

GG賞の選考は、5年以上のプロ野球取材歴を持つ新聞社やテレビ局などの記者による投票で決定されます。選考対象となる選手の条件は以下の通りです:

  • 投手:規定投球回数(143回)を満たすか、47試合以上に登板
  • 野手:各ポジションで71試合以上に出場

 

投票では、「該当者なし」という選択肢も用意されており、過去には誰も選出されないケースもありました。2010年のセ・リーグ一塁手部門では、260票中140票が「該当者なし」となり、受賞者が出なかったという珍事も起こっています。

 

この投票システムについては、時に議論を呼ぶこともあります。例えば、打撃成績や所属チームの強さが投票に影響を与える可能性があるという指摘もあります。純粋に守備力のみを評価することの難しさが表れているとも言えるでしょう。

 

GG賞投票システムの課題についての詳細な記事はこちら

パリーグGG賞とセイバーメトリクスの関係性

近年、野球界ではセイバーメトリクスと呼ばれる統計学的アプローチが注目を集めています。GG賞の選考においても、UZRなどの客観的指標が参考にされることが増えてきました。

 

セイバーメトリクスの導入により、以下のような変化が見られます:

  1. 守備評価の客観化:感覚的な評価だけでなく、数値化された指標を用いることで、より公平な評価が可能に。
  2. 隠れた守備の貢献度の発見:華麗なプレーだけでなく、堅実な守備や走者の進塁阻止なども評価の対象に。
  3. ポジション別の特性理解:各守備位置の難易度や重要性を数値化し、より適切な評価基準の設定が可能に。

 

ただし、セイバーメトリクスだけでは捉えきれない要素もあります。例えば、チームメイトとの連携や試合の重要局面での集中力など、数値化しにくい要素も守備力の重要な一部です。

 

そのため、今後のGG賞選考では、客観的指標と専門家の目による評価をバランスよく組み合わせていくことが求められるでしょう。

 

セイバーメトリクスを用いた野球分析の詳細についてはこちらを参照

 

以上の分析から、2024年のパ・リーグGG賞は、特に外野手部門と三塁手部門で大きな注目を集めそうです。万波選手や栗原選手の活躍が目覚ましい一方で、ベテラン選手たちの復活劇にも期待がかかります。シーズン終盤に向けて、各選手の守備パフォーマンスがどう変化していくか、そして最終的にどの選手の手にGG賞が輝くのか、目が離せません。

 

野球ファンの皆さんも、ぜひ各選手の守備に注目しながら試合を楽しんでみてはいかがでしょうか。時には華麗な好プレー、時には地味だけど重要なルーティンプレー。それらを総合的に評価するGG賞は、野球の奥深さを再認識させてくれる素晴らしい賞なのです。