2023年シーズン、ルイス・ブリンソン選手は読売ジャイアンツで88試合に出場し、打率.248、11本塁打、35打点を記録しました。長打力を生かし、チームの中軸として期待される場面もありました。特に、対横浜DeNAベイスターズ戦では高い打率を維持し、相性の良さを見せました。
しかし、走塁ミスや守備の粗さも目立ち、チームに貢献できない場面も見られました。例えば、4月6日の横浜DeNA戦では、二・三塁間で停止しなかったため三塁走者が進塁せざるを得なくなり本塁死、さらにアウトカウントを間違え三塁を離塁した所をタッチアウトされる変則併殺打となる場面がありました。
ブリンソン選手の長所は、その身体能力の高さにあります。広い守備範囲と強肩を生かした外野守備は、チームの守備力向上に貢献しました。また、長打力も魅力の一つで、特大アーチを放つ場面も見られました。
一方で、短所としては打球を確認しない悪癖があり、長打を放っても二塁アウトになったり、二塁走者時に打者のライナーが捕球されても帰塁に失敗したりするなど、基本的なプレーでミスが目立ちました。また、初球を見逃す癖を他チームに見透かされ成績が落ちた時期もありました。
ブリンソン選手は、2012年のMLBドラフト1巡目(全体29位)でブルワーズに入団し、2016年のMLBプロスペクトランキングでは16位と高い評価を受けていました。当時はヤンキースのアーロン・ジャッジ選手よりも上位にランクされており、大きな期待を集めていました。
しかし、メジャーリーグでの活躍は限定的で、2019年にはWAR-2.1を記録し、2000年以降のマーリンズではワーストの記録となりました。日本でのプレーも、その期待に完全に応えるものとはならず、1年で退団という結果になりました。
読売ジャイアンツでは、ブリンソン選手に「令和のクロウ」としての期待が寄せられました。球団OBのウォーレン・クロマティ氏は「G史上最強助っ人」と称される伝説の選手で、同じく米フロリダ州出身でMLB経験を持つブリンソン選手との共通点がありました。
2023年7月のDeNA戦では、「オールドサマーシリーズ」として、ブリンソン選手の打席でクロマティ氏の復刻版応援歌が流れるという演出も行われました。このエピソードは、ファンの期待の大きさを示すとともに、ブリンソン選手自身にとっても大きなプレッシャーとなったかもしれません。
2023年シーズン終了後、ブリンソン選手は読売ジャイアンツを退団し、2024年4月にメキシカンリーグのOlmecas de Tabascoと契約しました。その後、5月にはRieleros de Aguascalientesに移籍しています。
メジャーリーグでの再挑戦を目指す可能性もありますが、29歳という年齢を考えると、今後のキャリアパスは不透明です。しかし、身体能力の高さや長打力といった武器を生かし、守備や走塁の基本的なミスを減らすことができれば、再び注目を集める可能性は十分にあります。
ブリンソン選手の今後の動向は、多くの野球ファンにとって興味深い話題となるでしょう。日本での経験を生かし、どのようなプレーを見せてくれるのか、注目が集まります。
以上、読売ジャイアンツでプレーしたルイス・ブリンソン選手の活躍と課題、そして今後の可能性について見てきました。高い身体能力と長打力を持ちながらも、期待に応えきれなかった1年間でしたが、彼の野球人生はまだ続いています。今後、どのような舞台で再び輝きを取り戻すのか、引き続き注目していきたいと思います。